こんにちは、やまとです。
今回紹介するのは総合化学株5銘柄です。日本の総合化学メーカーは、幅広い化学製品や素材を製造・販売する企業で、日本国内外で大きな影響力を持っています。これらの企業は、石油化学、ファインケミカル、医薬品、農薬、電子材料、繊維、プラスチック、合成樹脂、無機化学品など、多岐にわたる製品群を扱っています。
石化基礎製品は中国経済の低迷によって市況悪化が続いています。株価のほうは今後一体どうなるのでしょうか?
今回は、注目の総合化学メーカーについて紹介します。
※各種指標は2024年1月17日時点のもの
4063 信越化学工業
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
21.3 | 1,496,906 | 392,213 | 405,101 | 293,732 |
22.3 | 2,074,428 | 676,322 | 694,434 | 500,117 |
23.3 | 2,808,824 | 998,202 | 1,020,211 | 708,238 |
会24.3 | 2,300,000 | 700,000 | 760,000 | 520,000 |
株価 | 5700 |
予想PER | 21.87 |
予想PBR | 2.71 |
予想配当利 | 1.75 |
予想ROE | 12.3 |
塩化ビニル(PVC)、半導体シリコンウエハ世界首位。フォトレジスト世界3強。EUV用マスクブランクス参入。高い収益性と財務基盤を持ち、安定した経営を行っています。特に半導体分野での技術力が強みで、グローバルな供給体制を確立しています。
子会社に信越ポリマー、米シンテック。
信越化学については以前、半導体材料株について紹介した時の記事にもあります。
その時の記事はこちら↓
3407 旭化成
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
21.3 | 2,106,051 | 171,808 | 178,036 | 79,768 |
22.3 | 2,461,317 | 202,647 | 212,052 | 161,880 |
23.3 | 2,726,485 | 128,352 | 121,535 | -91,312 |
会24.3 | 2,822,000 | 140,000 | 133,000 | 85,000 |
株価 | 1102.5 |
予想PER | 17.99 |
予想PBR | 0.84 |
予想配当利 | 3.27 |
予想ROE | 4.7 |
ケミカルは繊維、電子部品、医薬・医療機器など。ヘーベルハウスなど住宅事業も展開していて強みがある。多角的な事業展開が特徴で、特に医療分野で人工臓器や透析機器などの製品を提供し、高い技術力と信頼性が評価されています。
4188 三菱ケミカルグループ
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
21.3 | 3,257,535 | 47,518 | 32,908 | -7,557 |
22.3 | 3,976,948 | 303,194 | 290,370 | 177,162 |
23.3 | 4,634,532 | 182,718 | 167,964 | 96,066 |
会24.3 | 4,455,000 | 295,000 | 263,000 | 135,000 |
株価 | 898.8 |
予想PER | 9.47 |
予想PBR | 0.74 |
予想配当利 | 3.56 |
予想ROE | 7.8 |
総合化学売上首位。化学、レイヨン、樹脂が2017年4月に合併。石化基礎製品は切り離し方針。電子材料やヘルスケア、エネルギー環境分野に注力。
グローバルな視点で事業を展開しており、多くの分野でトップシェアを誇ります。
子会社に三菱ケミカル、田辺三菱製薬、日本酸素HD。
4183 三井化学
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
21.3 | 1,211,725 | 78,074 | 74,243 | 57,873 |
22.3 | 1,612,688 | 147,310 | 141,274 | 109,990 |
23.3 | 1,879,547 | 128,998 | 117,278 | 82,936 |
会24.3 | 1,757,000 | 97,000 | 98,000 | 76,000 |
株価 | 4322 |
予想PER | 10.81 |
予想PBR | 0.99 |
予想配当利 | 3.24 |
予想ROE | 9.1 |
石油化学の構造改革中。自動車用樹脂、メガネレンズ材料、不織布などの高機能材料を拡大。農薬も。
化学業界の中でも特にヘルスケアやバイオ技術分野に力を入れており、革新的な製品開発を続けています。
子会社に三井化学クロップ&ライフソリューション、三井化学東セロ、プライムポリマー、独クルツァー。
4005 住友化学
業績 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 |
21.3 | 2,286,978 | 137,115 | 137,803 | 46,043 |
22.3 | 2,765,321 | 215,003 | 251,136 | 162,130 |
23.3 | 2,895,283 | -30,984 | 231 | 6,987 |
会24.3 | 2,700,000 | -125,000 | – | -95,000 |
株価 | 350 |
予想PER | – |
予想PBR | 0.47 |
予想配当利 | 3.43 |
予想ROE | -7.8 |
住友系総合化学。石油化学はサウジアラビア、シンガポールで合弁。2023年3月期は営業赤字。広範な分野で事業を展開しており、特に農薬と医薬品分野での存在感が強いです。
上場子会社住友ファーマ。主力薬特許切れが打撃。
リスクファクター
これらの企業に投資する上でのリスクファクターは、各企業の事業内容や外部環境によって異なりますが、共通するリスクがあります。
原材料価格の変動:
- これらの企業は多くの製品で石油や天然ガスなどの原材料を使用しています。原材料価格の急激な変動は、製品の製造コストに直接影響を与え、収益性を低下させる可能性があります。
為替リスク:
- 日本国内外で事業を展開しているため、為替レートの変動が業績に影響を与えます。特に、円高になると輸出の競争力が低下し、収益が圧迫される可能性があります。
環境規制:
- 化学業界は環境規制の影響を受けやすく、厳しい環境規制や新たな法規制が導入された場合、追加コストや事業運営の制約が生じる可能性があります。
技術革新の競争:
- 新しい技術の開発や導入が遅れると、市場競争で不利になる可能性があります。特に、持続可能な製品や環境負荷の少ない技術へのシフトが求められる中で、技術革新に遅れるリスクがあります。
グローバル経済の不確実性:
- これらの企業はグローバルに事業を展開しているため、各国の経済状況や政治リスク、貿易摩擦などが業績に影響を与える可能性があります。
比較チャート
※2024年1月17日現在のチャート
信越化学がここ5年で3倍以上に上昇。収益性が高く財務良好なので多少高いバリュエーションでも許容されています。
三井化学も健闘。構造改革はある程度評価されているようです。
他の3社は苦戦中。特に住友化学は酷い。原油価格高騰によるコスト増が業績に影響を与えたのが株価に現れています。
各社とも今期もそれ程良い業績予想は出していないので、予想が修正されるかに要注目。
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